丁寧な人間関係に求められるのは、自分と他人との一線

 他人から雑に扱われる原因は、どこまでがOKでどこからがNGという自分なりの境界線を、周囲の人たちに共有していないことにあります。

写真:Francesco Sommacal

 興味深いことに、他人から雑に扱われている人も、他人を雑に扱う傾向が見られました。「私は周囲から雑に扱われていて悲しい」「大変な目に遭っている」という被害者意識が強いせいか、なんだか落ち着きがなく、自信なさげでありながら図々しくて、周囲の人との距離感がうまくつかめていないようです。

 丁寧な人間関係に求められるのは、自分の中での他人との境界線をはっきりさせること。そして、その境界線を周りの人にもわかるように示すのです。
 NGの要求を受けた場合は、即座に、短い理由を添えて代案を出すか、断ります。
 境界線を踏み越えてきた場合には、境界線を淡々と、そしてはっきりと提示します。怒る、泣くなど、感情を表現する必要はありません。

 それでも境界線を踏み越えようとする人は、自制心が乏しいといえます。そんな相手に対しては、可能な限り距離を取り、すべてに対応はせず無視をしてもいいでしょう。

 自分なりの筋を通しておくと、人間関係で雑に扱われることも、雑に扱うこともありません。

 心理学では「心の境界線」「バウンダリー」と呼ばれているようです。

■ノーと言えない人の心を守る「バウンダリー」自己犠牲をやめて、自他を尊重する方法とは


【雑に扱われていると思ったときの対応策】

●境界線を設けておく
 自分と相手との境界線を引いて、相手の言動に対して、どの程度までなら許容できるのかを具体的に決めます。一線を越えてきたら、関係を清算するなどの対応もあらかじめ決めましょう。

●はっきりと相手に伝える
 必ず「私は」という主語を使って、自分にとって嫌なこと、望んでいることを具体的に伝えましょう。ほかの人間の気持ちや意見を代弁しません。あいまいな言い方や苦笑いはやめて、正々堂々と立ち向かいます。

●言葉ではなく行動に注目する
 相手が並べ立てる理屈ではなく、不適切な行動に注目します。そして「問題になっている行為を私は認めません」とはっきりと伝えましょう。

●意図ではなく行動パターンで判断する
 相手の言動の理由を深読みしても無駄です。

●相手を変えようとはしない
 自分を操作しようとする相手を何とかして変えようとしても無駄。

●問題を絞り込む
 相手は話題転換やはぐらかしで駆け引きを行うので、こちらは目の前の問題に集中する必要があります。過去の問題を引き合いに出したり、将来を想定したりするのではなく、今、ここに集中しましょう。

●相手からの具体的な返事だけを受け入れる
 単刀直入な質問には、シンプルな返事が返ってくるもの。返答が極端に長かったり、逆に短すぎたり、まったく無関係な内容だったりする場合は、相手は駆け引きをしていると考えられます。

●責任をはっきりさせる
 相手はこちらを非難したり責任転嫁をしたりします。ですから、自分の責任と相手の責任とをはっきりと分けて、示しておきましょう。

●ペースを合わせて攻撃的にならない
 相手が攻撃的だからといって、こちらも攻撃的になったり、露骨に非難したり、あざけったりするのはやめます。淡々としたペースで話し合ったほうがスムーズに進みます。

●脅さない
 こちらが脅すような態度を取れば、相手も脅しで応じます。相手のほうが脅しの手口において勝っています。攻撃に攻撃で、あるいは脅しに脅しで応じるのではなく、自分のペースで進めましょう。

●勝とうとしない
 こちらが勝ちそうになると、相手は死に物狂いで攻撃したり、道連れにするために必死に足を引っ張ったりします。そのため、ウィンーウィンの条件を提示をしておきましょう。

●記録に残しておく
 いざというときに備えて、これまでの経緯を細かく記録しておくことも必要です。

●素早く行動する
 相手は言動をエスカレートさせるので、おかしいと気づいたら素早く行動を起こします。

●自分の得意分野だけにエネルギーを注ぐ


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