深く眠るための豆知識 昼間にこまめに動くのがポイント
深く眠るための豆知識
1 朝、太陽光を浴びる
2 昼間はできるだけ立って、動く(椅子に座りっぱなし・寝そべってスマホをいじりっぱなしなどは避ける)
3 昼食後に疲れを感じたら、15分昼寝をする(昼寝する前にカフェインを取るとよい)
4 夕方(17時前後)に運動を行って体温を上げる
5 0~6時を就寝時間に含める
6 就寝する3時間前までに食事を済ませる(できれば20時以降は食事をしない)
7 就寝する1~2時間前までに入浴を済ませる
8 夜間の運動を避ける(軽くストレッチする程度にとどめる)
9 寝床に入ってスマホやゲームを使わない
10 眠くもないのに、早く寝床に入らない(やることがないからと20時に寝床に入るのはやめる)
11 睡眠日誌をつける(特にシニアは主観と客観が異なるため)
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イラスト/ソコスト |
睡眠の量(長さ)と質(深さ)を調節しているとされているのが、概日リズムと恒常性です。
○概日リズム(サーカディアンリズム) 1日の活動時間帯(人間では昼、夜行性動物では夜)に体内時計が眠気を覚ます覚醒信号を作り、時間帯に応じて変化する
○恒常性(ホメオスタシス) 覚醒時間(睡眠不足、「睡眠負債」)に比例して眠気が増加し、睡眠で眠気が解消される
深く眠れるように概日リズムを調整するには、朝の強い光が必要です。
また、昼間にしっかりと覚醒することで、夜は眠れるのです。これが恒常性で、睡眠が不足していなければ、眠れません。
というわけで、朝起きてから夕方までは、できるだけ太陽光を浴びて体を動かすことが、睡眠の質を上げるポイントになります。
日中、座っている時間が長いほど死亡リスクが高くなるという報告もあります。その点でも、こまめに体を動かすように心がけたほうがよさそうです。
睡眠の専門医の話では、退職後のシニアで、「睡眠負債で健康を害される」と思い込んでしまい、20時に寝床に入って寝ようとするものの、寝付けないために「不眠症だ」と訴えて受診するケースがあったそうです。
恒常性があるため、覚醒時間が少なければ、私たちは眠れません。ですから、朝起きてからしっかりと活動しているのか、だらだらと昼寝をしていないか、やたら早く寝ようとしていないかを確認するため、睡眠日誌を多くの専門医はお勧めしていました。
また、あるとき、「夫がストレスだ」「夫のせいで体調が悪くなった」と、シニアの女性が愚痴をこぼしていました。いろいろな不調を抱えて、たくさんの病院に通っているのだとか。
話を聞いていると、スマホゲームにはまっていて、ベッドでゲームをしていたらいつの間にか眠るのがその女性の日課でした。ほぼ毎朝、ベッドの横にスマホが落ちているのだそうです。
『クラナリ』編集人は、内心、「不調の原因はゲームしながらの寝落ちだよね。犯人にされている夫も気の毒だ……」と思いました。
こうした習慣を見直すためにも、睡眠日誌は役立ちそうです。
また、メディアによく登場していた専門医は「早朝に運動をしないように」と述べていました。体温のリズムが狂うだけでなく、朝の段階では体が準備不足で故障の原因になるのだそうです。「朝練など、子どもたちに決してやらせないように」とも強調していました。
運動するなら夕方。昼間の活動で体が運動できる状態になっているとともに、このタイミングでぐっと体温を上げると、夜(0:00頃)に深部体温(脳や臓器などの体温)がスムーズに下がり、眠りに入れるようになります。
食事も入浴も体温を上げるので、寝る直前は避けます。手足が冷えるときは、手浴・足湯がお勧めです。
睡眠については、「寝る前に何をするか」という情報がよく出回りますが、『クラナリ』編集人が専門医に話を聞いた限りですが「昼間に何をするか」の影響のほうが大きいという印象です。室内に一日中こもりっぱなしでは、寝る前にさまざまな努力を行っても、睡眠の質を高めるのは難しいのではないでしょうか。また、「睡眠負債だ」と深刻になるほど、ストレスもたまります。
昼間に思い切り遊んだり、仕事をしたり、体も心も思い切り動かすことが、深く眠るポイントとなります。
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■参考資料
温度、湿度と睡眠
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