2028年までに書店の棚から消えそうなジャンルを、noteの急上昇カテゴリから予想
書店の雑誌・ムックコーナーで驚いてしまいました。
「こんなに薄くて、1000円以上もするのか!」
自分(もともとは雑誌編集者)がムックを担当していた頃だと800円程度の体裁のものが、1.5倍以上の1400円程度の値付けがされていたのです。雑誌・ムックの仕事から遠ざかっていたため、ここ数年はまったく棚をチェックしておらず、インフレの波についていっていませんでした。
雑誌・ムックでは、NHKが強い!
女性誌は、付録か男性アイドルの特集を組んだものがずらり。
節約術やお手軽料理法、生活の一工夫などを紹介する生活実用誌は、かつては大量にコーナーに並んでいたものの、現在ではわずか数誌。ターゲットとする年代も50~70代ぐらいではないかと。
70代といえば、マガジンハウスの雑誌『anan』で連載を持つ林 真理子(敬称略、72歳)で今売れているのが、『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』(幻冬舎新書)。このことから、読者とともに雑誌も年を取っていくのかなと実感していました。余談ですが、新書もかつては大学生向けでしたが、現在は中高年がターゲットなのだと新書の編集者が話していました。
かつては生活実用誌から得ていた情報は、InstagramなどSNSの動画で簡単に手に入ります。
自分の場合は、Instagramをボーッと眺めていると、ふろ掃除と肩こり解消法の動画が大量に流れてきます。おそらくAIが、自分の嗜好などを分析して、数多ある動画の中から選んでいるのでしょう。
そのため、家事や健康といった生活実用というジャンルの本(雑誌・書籍)は、2028年までに消えていくと推測します。このジャンルの本については、値上げがダイレクトに購入控えにつながります。主な購入者は家計を握っているため、「これ1冊の値段でニンジンもジャガイモも買えるな」という具合に、生活必需品と本とを天秤にかけてしまいがちだからです。
それ以上にスマホを使いこなせる世代であれば、生活実用情報はスマホで無料で手に入れられます。
生活実用以外のジャンルで、参考にできるのがnote。note株式会社が運営するnoteについては、AIが次のようにまとめました。
「note(ノート)」とは、文章、写真、イラスト、音楽、映像などを手軽に投稿・配信できる、日本発のメディアプラットフォームです。ブログのような発信と、SNSのような読者との交流や応援(「スキ」やコメント)を組み合わせたサービスで、無料または手軽な価格でコンテンツの売買も行えます。
| 出典:note2025年11⽉期決算説明資料 |
noteは、記事の有料販売やメンバーシップ(サブスクリプション)で、クリエイターに直接お金を渡すシステムになっています。note株式会社は、noteで人気の高い話題を挙げていました。
急上昇カテゴリは大きく2つの傾向に分かれます。1つは「テクノロジー・AI活用」「SNS運用」「複業・在宅ワーク」など収入アップやキャリアに役立つスキル。もう1つは「育児・教育」など日常の課題を解決するノウハウです。
note、約30万件の有料記事を分析。はじめたばかりでも収益につながりやすいテーマが明らかに
https://note.jp/n/n8522197d1ced
https://note.jp/n/n8522197d1ced
要は「ビジネス(金儲け)」と「子育て」です。
この2つのジャンルについては、本でも手堅いとされています。食料品や生活必需品とは競合せず、一種の“投資”と見なされているからです。
noteに書かれている内容は、次の2つに分類されていました。
<コンテンツのタイプ分類>実用ノウハウ系:収入アップやスキル向上、課題解決につながることを期待して購入されるコンテンツ(例:投資ノウハウ、IT・ビジネススキル、キャリア相談など)読み物系:読む体験自体が目的であり、楽しむ・知るといった消費行動が中心のコンテンツ(例:小説、マンガ、エッセイ、コラムなど)
note、約30万件の有料記事を分析。はじめたばかりでも収益につながりやすいテーマが明らかに
https://note.jp/n/n8522197d1ced
https://note.jp/n/n8522197d1ced
およそ30万件の有料記事の中で売れている記事の平均価格については、実用ノウハウ系が1842円で、読み物系が983円とのこと。実用ノウハウ系、言い換えると「ビジネス(金儲け)」ジャンルが強い(金を出しても読みたい)ことがわかります。
そして有料記事年間売上トップ1000に入るクリエイターの平均売上は、約1515万円とのこと。
あくまでも個人的な印象ですが、「ビジネス(金儲け)」・「子育て」ジャンルで、本はnoteなどに“食われて”いくのではないでしょうか。noteで収益化しやすいとデータが出ているため、これらのジャンルで情報発信をする人が増えると考えられます。育児中の人は細切れにしか時間が取れないので、本よりも手軽に読めるスマホでの情報のほうが喜ばれるでしょう。
また、noteなどオンラインの「メディアプラットフォーム」でかなりの人気を博したものが書籍化するという流れは、けっこう批判されていますが、さらに加速しそうです。もちろんフォロワー○万人のインフルエンサーの投稿を、内容を吟味せずにひたすら書籍化するのではなく、かなり手を加えてからの発刊となるでしょう(すでに「ひたすら書籍化」は失敗とされているので)。
一方、「読む体験自体が目的」で紙である必要性を感じる絵本や写真集(写真メインの書籍も含む)、長編の作品(小説、「終活」といったワンテーマのエッセイ集など)、それから体系的にまとめられた分厚い専門書は、2028年以降も本として残るジャンルだと思われます。
残念なことに、自分の編集・ライティングの専門は生活実用と子育て、美容、健康なので、出版業界では尻すぼみ。とはいえ、これまで十分稼がせてもらって投資に回せているので、そのことに感謝しつつ、商業出版という大きなジャンルを超えた別の方向性も探って生き残りをかけていくタイミングが来ています。
2028年までに書店の棚から消えそうなジャンル
生活実用
美容、健康
趣味
ビジネス(金儲け):現在1000円台で値付けされていて、さほど専門性はない
子育て(特に体験記)
noteの基本情報
累計会員登録数:1,114万人(2025年11月期末)
noteに月1回以上アクセスしたアクティブブラウザの合計数(MAU): 8,660万(2025年度下期6-11月平均)
収益を得た人:20万人(2025年3月末時点)
■主な参考資料
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